震災の日


こういうことを書くことに意味があるのか無いのかわからないけれども、個人の備忘録的に書いてみる。しばしば言われているように2011年3月11日は、アメリカにとっての2001年9月11日と同じくらい、それ以前と以後の境目になるかもしれないという気持ちもあるし。

1週間前のその日、僕は唐突に入院することになった父親の入院グッズを届けるために午前中で会社を早退して、愛知県某市の実家に向かった。
実家で荷物を車に載せて、足りない下着類を買うために地元の洋服屋に入ったところで揺れが来た。
まるで免震構造のデータセンター内で感じるような、ゆっくりとした振幅の大きな揺れに、店員さんと顔を見合わせて、まだ揺れてる、まだ揺れてる、と言っていた。
Twitterを始めてからの習慣になった、地震速報をつぶやくことは忘れなかった。

揺れが収まってTLを確認してみたら、様子がおかしい。
おかしいと思った原因は、名古屋クラスタの人々と東京にいるはずのブロガーや友人が両方とも地震を速報していたことだった。
だとするとかなり大きかったんだろうかと思っていたら、震源が宮城とのツイートが飛び込んできた。
宮城の地震で名古屋が揺れたって?
だとしたら半端な地震じゃない。(実際には茨城沖にも震源があったようだけど)
車で移動している間にもラジオからニュースが飛び込んでくる。
10mの津波が来るという話しもあった。10mの津波って何だ。
震度7って何だ。

その時点で、その日もともとダウナー気味だった気分がますます暗くなっていた。
災害発生時に特有の気分の高揚を、今回ばかりは微塵も感じなかった。
尋常じゃない災害になるかも知れないということは容易に想像できた。

TLや病院のテレビでのニュースでも、東京や東北の被災状況が少しずつ明らかになっていく。
極めつけは、帰宅してからニュースで観た津波の映像。
仙台の平地を黒い水の塊が暴力的に侵食している。
民家やら車やらビニールハウスやらが、いとも簡単に流されていく。
あそこの人たちは避難できたんだろうか?
別の映像では、同じく平地を侵食していく津波の先に、無防備に走っている車の列が見えた。
何台かが津波に気がついたのか、慌ててハンドルを切ったように見えた。
そこで映像は途切れたけれど、あの車に乗っていた人たちはどうなったんだろう?

夜の10時ごろにはやや鬱気味になっていて、ビールを一缶空けても余計に気分が落ち込んだだけだった。
阪神の時にはそんな気持ちにはならなかったのだけれど、それは僕がまだ高校生だったせいかも知れず、だとしたら、今回こんな気分になったのは年をとったせいか?家庭を持ったせいか?それとも父親が癌になってどうやら余命に限りがありそうだということになったせいか?
まあ全部かもしれないし、それとは別の理由があるかもしれない。
ようするによくわからない。

それ以来、テレビはほとんどつけなかった。繰り返される映像を見続けていると、本気で鬱になりそうだったから。

2、3日して思うのは、やっぱり今後の日本人はこの日の以前と以後を意識せざるを得ないんじゃないかということ。
それを言うなら阪神だってそうじゃないかと言われるかも知れないけれど。
敢えて違いを言うなら、地震の大きさや被災地の広さ、犠牲者の多さ以外に、津波の映像があるんじゃないかと思う。
空撮された、刻一刻と迫る黒い水の塊を追う映像は、これまであまり見たことが無い。
過去にはあったのかも知れないけれど、少なくとも僕は見たことが無い。
阪神大震災では、揺れているその瞬間の映像というのは定点観測用のカメラなどの映像に限られて、災害の渦中の恐怖を日本人全員が共有することは無かったと思うけれども、今回はそれがある。
仮に日本人のほとんどが日常を取り戻したとしても、何かを発言したり、表現したり、考えたりする頭の片隅に、今度の震災の記憶がある。
これからはそんな時代になるかもしれない。

その後の東京や被災の様子、原発や救助活動については周知のことなので省略。
今のところ、自分にやれることは義援金の寄付ぐらいなので、それはやった。
他に自分のやれることは無いかと身の丈を超えて考えてもいいことは無さそうなので、まずは落ち着きを取り戻したいと思う。

とりあえず、この週末は予定されていた出勤が取り消しになったので映画に行こう。
「ドラえもん のび太と鉄人兵団」と「英国王のスピーチ」のどちらにしようか悩んでいたけれど、たぶん「英国王のスピーチ」を観ると思う。
ドラえもんもきっと観る。何しろ大長編は、「海底鬼岩城」以来、交通事故で観られなかった「宇宙小戦争」を除いてすべて劇場で観てるんだから。(去年はとうとう嫁も来てくれなかったので独りで観たぞ)

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